我が日常の裏・表

いろはす/芭蕉(Twitter:Irohasu1230)のTwitterに収まらない話

【感想】ヒトリエ HITORI-ESCAPE TOUR 2023 広島公演

#ベロベロバー

この日のBeRealの投稿から.

 

 ヒトリエに関しては4月の「10年後のルームシック・ガールズエスケープTOUR 広島公演」以来、久々のライブレポートです。気が付くと年の瀬、自ずと今年を振り返りたくなる時期ですね。

【感想】ヒトリエ 10年後のルームシック・ガールズエスケープTOUR 広島公演 - 我が日常の裏・表

 

 私にとってこの1年は、学業や研究、アルバイトで揉まれていることが多かったです。今年1番の変化といえば、X(旧Twitter)なりDiscordなりで全国各地、老若男女問わず様々なヒトリエファンの方々とつながれたことに他なりません。チャットで情報を交換したり交流したりするところから始まり、通話やスペースに参加したり、何なら自分でもHNの“芭蕉”にかこつけて「草庵」と題したスペースを開催したりと、毎日様々なヲタクに囲まれて楽しい日常を過ごせるようになりました。いつもありがとうございます。

 そうやって全国各地に友達ができたところで、この度のツアーが始まりました。京都の2デイズを皮切りに、福岡、東京、仙台、大阪など各地を巡る全15公演。私が参戦した広島は13公演目であり、後は名古屋と、クリスマスイヴの札幌を残すのみというところでした。

 全国各地で友達がばらばらとツアーに参戦しているため、感想を語りあいたい者、ネタバレ回避に苦心する者等にFFが分かれており、徐々に後者が減って前者が増えていく様子が面白かったですね。まるで桜前線が北上していくかのように、TL上に共有される感想が増えていく体験は新鮮でした。

 

 今回も前回同様、妹と一緒に参戦してきました。今回は「10年後のルームシック・ガールズエスケープ」(以下、10ル)にて知り合った同世代のファン仲間も一緒に、3人で固まって下手側の3列目に陣取りました。(この時点で過去1ステージに近い……)

 17時開演。今回のSEは、10ル(とそのツアー)で使用されていたピコピコ系のメロディをギターで鳴らしているかのようでした。下手側から3人が登場。シノダはステージ中央に仁王立ちして拍手を浴びてからギターを構えます。そもそもシノダってこんなにデカいんだ。

 ギターをかき鳴らして吠えるようなシャウトをした後、シューゲイザー的な轟音が身体を揺らしました。1曲目は「劇場街」。最後「夢 見れば何処まででも行けるの」からは1拍ごとに拳を振って演奏に喰らい付きます。シノダのシャウトもすごいのなんの。そのまま2曲目「トーキーダンス」。ベースのイガラシがステージ前方ギリギリまで歩み寄ってくるシーンが何度かありました。逆光とロン毛のためにその表情は窺い知れませんでしたが、細く黒い影がベースを爪弾きながら揺れ踊る様の色気がヤバイ。最前なんて行った暁には幸福感で死ぬんじゃないかってのを漠然と実感しました。近いだけでこんなにカッコいいとは。(音圧に語彙力を吹き飛ばされている)

 

 MC。今日はみなさんに1つの巨大な立方体になってもらう予報が出ているみたいな話。

 3曲目「undo」。イガラシが近い……! 左手が何フレットにあるかすらくっきり見える近さ。そしてこの曲と言えばシノダの歌い方の色気が数割増しになりますよね。Aメロの「舌先」の「キ」とか、「ひと匙」の「ジ」の微かな感じは音源のソレでした。 続いて色とりどりに光るスポットライトに照らされて、カッティング主体のギターソロ。久々に聴きました、「イヴステッパー」。そして一呼吸置いて「るらるら」。後半の小休止以降でどんどん加速するのはもはやお約束です。ステージに近いということは、必然的にその奥に構えるドラムのゆーまおも近いわけでして。前方2人の挙動を鋭く観察しながらライブ全体のリードを握っていました。こんな仕事人みたいな表情だったんだな……と改めて感動。「ない」こそ出遅れましたが、それすらおくびに出さないで「部屋に綴じ込める」ドラムロールを恙なく合わせ、加速するアウトロを完璧に操る職人芸に目を奪われていました。ジャズマスを連れ歩く、とXで公言していた通り、シノダがギターを持ちかえるシーンが多かったのがこのツアーで最も特徴的だったポイントかもしれません。煽情的にアルペジオを弾いて「うつつ」へ。この揺蕩うようなベースラインも好きです。これまで踊り殺しに来る編成だったのもあいまって、観客一同「うつつだね」というメロディに身を任せて身体をゆらりと一休み。

 

 MC。新曲、ジャガーノートの話。「皆さん3000回は聴いてきましたよね」と煽るが、指で筆算を空に書きながら天を仰ぐ感じ…、「あれ、合わない」とのこと。とりあえず「ジャガーノートじゃない方の新曲をやります」

 ステージを真っ赤に染める照明。サビの終わりに「僕らの夜」というワードがあるのは確かな、スローテンポなバラード系。照明は真っ赤でも、曲としての雰囲気は「青」に近かったです。特筆すべきは、サビがほぼシノダ・イガラシのツインボーカルだったこと。音源として発売される日がめちゃくちゃ待ち遠しいですね。続いて、3人になってから初めて聴いた「November」。初めてライブに参戦した「Coyote Howling」で私が最も感動したポイントでした。「浮かべた言葉は~これが僕と思えたんだ」までの下りの迫力は4年前に見たものとは寸分たがわず、感動で泣きそうになりました。秋の残響を表現したかのようなアウトロの歪んだエレキギターの音色がどこまでも名残惜しかったです。打って変わって、跳ね回るようなキーボードの音色。これも久々に聴く曲「(W)HERE」でした。先の2曲とは打って変わって、この曲の照明は青や白を基調にした演出でした。だからこそ、秋を終えて冬や春を象徴する「新」の空気を感じます。あとはこの曲が特に顕著でしたが、シノダさんの口が横に開いていました。そのぶん平たい歌声になるので、wowakaさんの歌い方っぽく聴こえるんですよね。良かったなぁ。

 

 MC。「ジャガーノートが聞きたいか????」「聴きたい!!!!!!!!!」
(4回くらい繰り返す)

 ふてぶてしく歪んだギターの音色が耳朶を打ちました。「俺まだわかんないよ」と口火を切って、ベースやドラムが徐々に加勢して、盛り上がりの果てに「世界中が俺に跪け」と叫ぶ此度の新曲「ジャガーノート」がようやく披露されました。サビはイガラシがコーラスに参加する仕様。バシバシスラップしながら加勢して「アイムソーリー/キャーニュースピークジャパニーズ?」と煽ってくる。ドスドスとリズムが担保されているのでついつい身体が上下に動いてしまう。それでいて間奏がキュルキュルとハチャメチャにカッコいいのだから反則。”マネキン”と「SLEEPWALK」の成分を一度に摂取できたみたいでした。アウトロはイガラシがわざわざ下手のメインスピーカー側から回り込んでマイクの前に降臨。手を伸ばせばあと数十センチでベースに届くんじゃないかというレベルの近さで繰り広げられる、容赦無いスラップ。それから新手のギターソロを経て「Idol Junkfeed」へ。シノダとイガラシが非常に近い距離で演奏しているシーンがあったようななかったような。身体を前後に揺らすことに全振りしたかのような1曲。楽しかった。

世界新記録が出ました!世界新記録が出ました!」(掠れた裏返った声で)

「記録は……、3分29秒! 3分29秒です!!!」

(ちなみにこの前口上が地域によって違ったらしいですね。福岡は時報だったとか)というわけで毎度おなじみ、怒涛のキメに必死に応戦する「3分29秒」

 

 MC。自分で言っててダサいなと思ったのでインターネットに書かないでくださいって言われた下りのMC。結局何の話でしたっけ。今のヒトリエが1番尖っているみたいな話だっけ。

 そして次の曲に向けて声出し。

シノダ:Yeah!!
フロア:Yeah!!
(山や犬が来ないか全力で警戒しながら叫ぶ。来ない)

 

「wowakaより愛を込めて、アンノウン・マザーグース!」。過去1大きい声で叫んだ気がします。続いても久々に聴いたギターソロ。最後にはキメが9回。9回目の後、あのリフを求めてフロアの盛り上がりは最高潮!ところが何らかのスイッチがミュートに入ったのか、会場に響いたのは同期のか細いギターのフレーズがただ1本。フロアから落胆の籠った「えー」が木霊します。一拍置いて、シノダも困惑の「えー」。一同「えー」。半分くらい自棄になって自分で4カウントをとりイントロに突入していきました。「センスレス・ワンダー」。コード弾きやピックスクラッチなど、ベースにも見せ場が追加された往年の名曲です。これらの見せ場を久々にちゃんと拝みました。ネックをピックが駆け上がる様の高さに息を呑みました。アウトロはゆーまおが歌いますが、以前よりもさらに上手になっているようでした。来年でこの曲も10周年。しばらくはセトリに入ってくれそうで今から楽しみですね。

 それから「最後の曲です」とギターが我武者羅に掻き鳴らされました。そして回転するようなリフと波打つようなベースライン。「HOWLS」より最後の1曲ウィンドミルが演奏されました。(今回「HOWLS」多かったな……。これで「LACK」と”コヨーテ”以外は3人版を聴いたことになるのか)アウトロの遅くなってからのかき回しがじっくりと長尺で楽しかったです。

 

 アンコール。早いうちにシノダが登場。久々の広島、「前回は声出せたんだっけ」とか、今日が何公演目だとか他愛もない話でファンと盛り上がりますが、残る2人が一向に出てきません。シノダからは下手袖にいるのが見えていたようで途中、「遅いよ!!!」と。「地面にケツつけて座ってたよな??来る……かと思ったら来ない……」。

 呼び出される形でおずおずと登場。ゆーまおと掛け合いながら、シノダがカタコトなインターネットショッピング的ノリでグッズを紹介しました。此度のグッズのパーカーを着ていない人は風邪を引いても自己責任とのこと。パーカーを着た人が風邪を引いたら心が痛むらしい。そしてゆーまおTシャツが完売したとの情報。イガラシはあくまで売りたいものを売っているだけですから、売れ残ったら困るのはゆーまおです。こればかりはゆーまおも嬉しそうでした。

 最後にイガラシに話を振りました。前回の広島公演で壊れたベースアンプがまだ直っていなくてウケるとのこと。ただ直っていない話で場がしんみりしてしまったので、明るい話として

「ゆーまおTシャツなんだけど、ゆーまおのお母さんが欲しいって言ってました。公認です」

 ファンは拍手喝采でしたが、ゆーまおの顔は真っ赤でしたね。

 

 恥ずかしさからか早々にアンコールが始まりました。アンコール1曲目は「カラノワレモノ」。お待ちかねの飛び跳ね有酸素運動曲。おかげで寒い広島の夜も風邪を引かないで済みそうです。そして最後は「ステレオジュブナイルが演奏されました。この曲のイガラシの表情もまた印象深かったです。口を閉じてにんまり笑っている感じ。それでいて双眸がステージをじっと見据えていました。

 過去1前にいたからこそ、過去1メンバー3人の表情すら見えた、極上のひと時を過ごせました。整番て良ければ良いほど幸せになるんですね。そうそう、終演後になりますが、ジャガーノートの巨大ジャケ写で3人の写真を撮ってもらいました。アクスタは10枚買って釣果はこんな感じ。

 

 途中のMCでシノダが語っていたのですが、来年は10周年イヤーということでかなり忙しくなるとのこと。特にシノダはシノ鉄が控えていることもあり、「俺個人の予定も含めると今から血の気が引いている」そうです。事実、広島公演が来年3月2日(土)に決まりました。(当たりました)

 他にも周年ライブなりボカロックマニアだったり、様々な予定が現時点でも判明しています。10-NEN-SAI 計画も解禁されましたね。

 

 少なくとも現時点では「ボカロックマニア」のチケットを確保しました。引越しの予定次第でどうなるかわかりませんが、「HITORI-ESCAPE 2024 -10-NEN-SAI-」、「シノ鉄」もぼちぼちチケットを抑えていきたいところです。

 相変わらず長文になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。良いお年をお迎えください。