我が日常の裏・表

いろはす/芭蕉(Twitter:Irohasu1230)のTwitterに収まらない話

【感想】VOCALOCK MANIA Ver.2 ~後編・ヒトリエ~

 なんて綺麗な眺めなんでしょうか←会場の総意?

 

 今更こういう風に言及すると賛否を呼ぶと思うのですが、このイベントに集っていた顔ぶれの中でヒトリエは確実に異質だったことでしょう。元を辿れば伝説のボカロpwowakaの結成したバンドであるわけですが、その結成秘話も12年前のこと。ヒトリエ登場に沸いたのは、ここに集っていたファン以上に他の出演者だったくらいの昔だと思います。

 MCでシノダがいじってもいましたが「ヒトリエwowaka」が結びつかなかったファンもいたそうです。実際、会場につめかけていたファンは2つに大別されました。片やプロセカ、マジミラのグッズに身を包んだボカロのファン。片や、思い思いのライブTで武装したヒトリエファンといった具合に。両者が同じ空間にいることがこのイベントの1つ印象的な光景でした。

 

 

 

 ところで、ずっとメインホールで爆音を浴びていてもしょうがないので、中ホールに行ってシノダの対談に行ったり、カラオケブースを覗いたりもしました。

 このカラオケブース、会場に集ったファンが1曲歌うことができます。歌った方には限定品のトートバッグがプレゼントされるそうで、カラオケステージに向かうファンの列が途切れることはありませんでした。

 ボカロ側のファンが「脳漿炸裂ガール」なり「ドーナツホール」なり思い思いのボカロ曲を歌い上げる一方、ヒトリエ側のファンは覚悟が決まっていましたね。wowaka及びヒトリエを推していることをその格好から告白しているわけですので、みな「アンハッピーリフレイン」や「ローリンガール」、「SLEEPWALK」といった難曲に挑んでいらっしゃいました。あっぱれ。

 そんなカラオケブースも、ヒトリエのライブが迫る夕暮れには閉会。

 

 大トリのヒトリエに、会場の全員が大ホールに押し寄せていました。今回私が流れ着いたのは、なんと上手側の最前。遮るものが無いシチュエーションでヒトリエを拝める日が来るだなんて。

 リハーサルは「トーキーダンス」。ここでこちらもウォーミングアップ。

 さて、共通SEからの独自SEでしっかり焦らしたオープニング。

 SEを止め、楽器を構えてシノダが叫びました「『アンハッピーリフレイン』!!!!」

 1曲目アンハッピーリフレインというロマン砲

 

 からの幻みたいなドラムソロ。ドスドスとシンプルなBPM=1814つ打ち。確かに周年ライブでも披露されたし、ボカロのイベントだし来るとは思っていたのですが、心の準備ができていなかったもので思わず膝から崩れ落ちるところでした。wowaka生前最大のヒット曲ワールズエンド・ダンスホールです。サビ“なんて綺麗な眺めなんでしょうか”辺りは本当に綺麗でした。全員が拳なりペンライトなりを上げ、ミラーボールが回る、この場限りのダンスホールです。ヒトリエにペンライトが向かうのも珍しいわけで……。さらにサビ2段目は「唄え!!!!」と。誰に歌詞を提示されるでもなく始まる会場全体のシンガロング。感無量です。

 さらに畳みかけるようにしてドラムソロが続きます。MVこそありませんですが、ここに集うファンなら当たり前に知っていたことでしょう「日常と地球の額縁」。なんかもうみんな感極まってずっと唄ってる感じでした。間髪入れることなく「プリズムキューブ」も演奏されました。

 殺す気の4曲をぶつけてからのMC。「ここまででお判りいただけたと思います。こういうバンドです」「1人の偉大な男が作ったバンドです。メジャーで10年活動しています。野音のライブが決まりました。そこでみんなで歌いたい曲をやります。ここにいるみんななら知っていると思います」シノダが一通り宣伝と説明を加えた後、1人でギターをかき鳴らし恒例のシャウトを会場に木霊させます。「wowakaより愛を込めて『アンノウン・マザーグース!!!!」(最後の最後でようやくwowakaの名前を出したのアツすぎません????????)

 その後最後1曲に抜擢されたのはローリンガールでした。ここまで全曲ボカロで固めてきたことなんて結成当初ですらあり得ませんでしたよね……というセトリ。正直引きました。せっかくのローリンガール、サビの「もう1回」はみんなで叫びました。最高に気持ち良かったです。

 散々会場を掻きまわし、3人が去って行ったステージ。どこからともなく湧き上がる手拍子と「アンコール」の声。ボカロイベントだからこそ、「もう1回」コールが響きます。そこへ無慈悲に響く「本日の講演は以上です。気を付けてお帰りください」のアナウンス……。

 

 しかし本当に純度100%にボカロで固めてくるなんて。このライブは伝説になるだろうな、そう予感しながらこの日はホテルに帰ったのでした。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。