我が日常の裏・表

いろはす/芭蕉(Twitter:Irohasu1230)のTwitterに収まらない話

【感想】ヒトリエ HITORI-ESCAPE TOUR 2022 大阪公演(振替・2日目)

行ってきましてよ、大阪、2日目。

本来ならば日帰りで行くべきだった、
月8万円の給付奨学金を賭けた面接のための大阪出張。

それをわざわざ大阪に前日入りしてライブに参戦したのでした。

翌日に大きい面接が控えていることも忘れ、全力で拳を上げて頭を振ってきました。

確かに筋肉痛はこの文章を書いている今も残っていますが、
とりあえず面接は好感触だったことを申し添えておきます。

 

はてさて、HITORI-ESCAPE TOUR自体は春に福岡で2 daysで参戦したのですが、
2日目は開演時刻を間違えて1時間遅刻するという大失態を犯していました。
(だからブログの記事を出していないわけなんですが)

 

そういうわけで、今回の大阪は念願のリベンジというわけです。
福岡で聴き逃した「イヴステッパー」と「踊るマネキン、唄う阿呆」が
とにかく聴きたい。

 

初めて向かうBIGCAT。
昨年のツアーの最終公演が行われただけあって、大きな箱でした。

広島市内でいうところのクレドとアクアが共存した巨大ショッピングホールの4階。

僕が到着した時点で入場整列はじわじわと始まってて、
行列が階段を伝って下へ続いていました。

適当な女性に番号を尋ねた際、親子連れに話しかけられました。

その高校生の息子さんの方が本日ヒトリエ初参戦なのだそう。

お母さんは会場外で待っているとのこと。

そのままその親子連れとさらにちょうど僕が番号を尋ねた女性と
しばし行動を共にすることに。

ライブ会場で同士と喋るって何気に初めて。めっちゃテンションが上がった。

 

お母さんは会場外で待っていて、例の女性は1人で盛り上がりたいとかで、
結局僕と少年の2人だけで会場入り。

BIGCATの広さにまあ驚いた。Zeppしか行ったことないのでBIGCATがどれくらいかわからないんです、とは少年の言。Zeppだなんて、絶句ですわ。

若い男子2人、互いにヒトリエの好きな楽曲を語りあっているうちに、
あっという間に開演時刻を迎えました。

照明が落ちる前、僕は彼に言ったのでした。
「初めてヒトリエを観る今日は、君にとって忘れられない日になると思う」と。実際僕がそうだったし。()

 

本編では横の少年にはお構いなしに拳を上げて頭を振ってきました。
彼が引いていなければよかったのですが、
今となっては確かめる術はありません。

またいつか会えると良いですね。

一応帰り道、地下鉄の駅まで向かう道すがらお母さんも交えて喋っていた限りでは満足している様子でした。終始2人してイガラシさんばっかり見ていたなぁ。

 

1.ポラリス

 今回は1曲目に登場です。時期も相まって3年前の「追悼会」を思い出しました。そういえばあの時も奨学金の面接と彼らのライブが重なったのでした。
満員のSTUDIO COASTにて、例の"ヒトリエからのお知らせ"の後初めてファンの前に姿を見せた彼らが最初に演奏したのがこの曲でした。私はそれを羽田の出発ロビーでスマホの画面越しに固唾を飲んで観ていました。(当時のことはいずれ書きます)不覚にもウルッと来ました。

 

2.ハイゲイン

 ライブ仕様のイントロが、Amplifiedや福岡でみたギター主体のものではなく、ベース主体のものに代わっていて面喰らいました。それにしてもいつ何度聞いても気持ちいいイントロですよね。最初のギターのフレーズが2回繰り返された後で3人で3拍ジャンジャンジャーンと鳴らすところが好きです。あれで右手が天に伸びない、もしくは頭を振れない人はいないでしょう。それくらいの求心力がある曲だと思います。個人的には歌が始まってからの、”ああ 迫る完全たるノーフューチャ”の後で1音ギュゥンと来るアレも大好きです。作業用BGMにヒトリエを流して、皿を洗うなり文章を書くなり、何をしていてもあの瞬間だけは頭をブンとついつい振ってしまう。それはライブ会場ならなおのこと。少年に当たらないよう気を付けつつノリにノッて聴いていました。嗚呼、ヒトリエのライブに来たって感じ。

 

3.curved edge

 最早いつものです。横の少年も含め、会場皆で頭を振ってきました。

このズゥンと胃にたまる感じはこの曲でしか出せないですよね。

この曲で頭を振ることを考えると、カップで提供されるドリンクは早めに飲み干すに尽きます。

 

4.風、花

 公演が延期したおかげか、セットリストに加わってくれました。つい先日アニメ交じりのMVが公開されたのも記憶に新しいです。これまでの僕のスラップベースに対するイメージが「踊るマネキン、唄う阿呆」と「絶対的」で固定されていたため、このテンポでのスラップベースは逆に新鮮でした。普通はこれくらいのテンポから練習するものですよね。……これ弾けるようになりたい。

 ソロっぽいエリアがあったりと、ここまでガッツリとキーボード感を押し出した曲って「フユノ」以来じゃないでしょうか。キーボードを弾いてくれる4人目がいればなぁ。……え、真面目に”君が僕に優しかったこと/胸に抱いて眠るよ”の君とか僕ってそういうことなんですか?

 軽快なメロディだからライブで聴いていてもこちらに羽が生えたかのような、まるで飛んでいけそうな心地よさでした。

 

5.RIVER FOG, CHOCORATE BUTTERFLY

 何度聴いても訳が分からない曲ですよね。正直3人体制になって最初にアップロードされるライブ映像がこの曲だったと予想してた人なんていないんじゃないでしょうか。僕は「センスレス・ワンダー」か「Loveless」だと思ってました。ポジション的にはシングルのカップリング曲なんですけど、異質感、存在感が明らかにおかしい。

youtu.be

 そういう御託はさておき。例のめちゃくちゃな間奏は何度眺めても楽しく不思議。どこからどういう動作をすればそういう音が鳴ってああなるんだ。マジで摩訶不思議。

 

6.tat

もはや定番曲です。youtubeにあるやつですよね。

youtu.be

観客一同ゆらゆらと聞き惚れていました。演奏後シノダさんが一昨日のライブで"先輩"とデュエットにアレンジして演奏した時の感覚が残っていて、ついつい上のハモリに行きそうになったことをMC中に語ってくれました。

これに限らず「今日は何の日か分かるか」(A. シノダさんのTwitterフォロワー3万に到達記念日)など、観客を”??”の渦に巻き込む一幕がありました。福岡でも似たような空気になっていましたよね……?要するに通常運転ってことか。

 

ここで「新旧織り交ぜるのがエスケープツアーです。皆さん最後まで覚悟してついてきてください」という宣戦布告がシノダさんの口からなされました。

ここから至福の中盤戦です。

 

7.Namid[A]me

この曲が"旧"に分類されていると、流れた年月の長さを痛感させられます。

歌詞の美しさに関して言うと、ヒトリエ曲全体でも一二を争うのではないでしょうか。(個人的には「November」の"浮かべた言葉は/音も無く弾けた/あたしが恋した/色の無い街並み"と合わせて2強ですね)”夜に浮かんだあなたの姿は/何より綺麗だと思った”なんて口説き文句として一級品でしょう。

生で聴けて良かった。

 

8.イヴステッパー

念願成就、感無量。3人仕様にアレンジされたのを遂に生で聴けるなんて!
人目も憚らず両手でガッツポーズをしてしまいました。横の少年にもバレてました。「IKI」発売当時から話題になっていたイントロのベースラインは今もなお圧巻。タップダンスを踊るみたいな神フレーズ。その対比として時報のようにシンプルなギターのフレーズは首がゆらゆらと揺れされる感じ。すべてが好き。天井からステージを照らす紫色のライトがサビでぐるぐる回り、様々な色の光が時にメンバーの姿を見えにくくする中で右手を掲げて跳ねていたあの時間はまさに夢。”我を忘れて踊れ”とはまさにこのことでしょう。

あとこの曲はサビの途中のバッバッと挟まるドラムの2拍が好き。あの音からじゃないと得られないタイプの栄養素がある気がします。

 

9.るらるら

「Namid[A]me」、「イヴステッパー」からの「るらるら」。もう容赦なく観客を躍らせに来ているなと感じました。毎晩お皿を洗いながら聴きたい流れです。最後のサビの前に止まるところは、MVではwowakaさん(i.e.ボーカル)以外が時間停止を食らった風に動かなくなるようになっていますが、ライブでは観客も時間停止する感じなんですね。僕は初めて知りました。

とはいえ「るらるら」は「カラノワレモノ」と並ぶ最古参。何年もこのノリを重ねてきたのか、フロアからもクスクスと笑う声が聞こえました。それに応えるようにシノダさんな意地悪く笑いながらこの停止タイムをじっくり味わっていました。1分くらいためにためてようやく”……ない”へ。この曲楽しいな。

でも演奏再開まで待つイガラシとゆーまおのお二方は気が気じゃないんだろうな……。

 

10.カラノワレモノ

曲の静かさの割には運動量が発散する1曲。イントロとサビでは全力で跳ね、Aメロは手拍子でつないだ。最初はこのノリについていくので精いっぱいだったが、今ではすっかり慣れてしまった。横の少年はどうだったのだろう。

今回も体中で「カラノワレモノ」を味わった。演奏後シノダさんが、「久々の垂直運動はどうだ?」と尋ねていた。僕は疲れました。特に左足の太ももの裏の筋肉が若干痛い。腕と首はもう知らん。絶対明日の面接に響く。

 

11.Marshall A

「69号室の住人」のアンコールで披露された楽曲。MCの遠山さんもお気に入りの1曲です。

youtu.be

 

この曲だけは、僕も頭を振ってノることにばかり意識が向き過ぎて演奏してる姿をあまり目に焼き付け切れていないくらい大好きです。自分の汗が髪の毛の先から飛び散ったのか、頭を振りながら首筋に冷たい水滴を感じました。とにかく歌詞の1行ごとのキメやドラムロールがすごく気持ちいい。気持ちよくなりすぎるあまり、拳を上げる勢いが他の曲より速くなってしまい、途中身に着けていた腕時計が飛んでいきました。無事に回収できてよかった。あとこの曲に限らないけどゴリゴリ暴れながら白い歯を見せてニヒルな笑みを浮かべるイガラシさんが悪魔的にカッコいい。

最後の「Hey you baby stop / What's up baby, baby stop」はコールアンドレスポンスを意識して書かれているはずなので、是非ともコロナ禍が明けたあとのライブのセットリストにも並んできてほしいとライブで聴くたびに願っています。絶対楽しい。

 

12.踊るマネキン、唄う阿呆

「カラノワレモノ」、「Marshall A」を経てこれとかボスラッシュ以外の何物でもない。これ以上ない最高のセトリじゃないですか。

今回のベースソロ(オンベェイスイガラシィ!!)はワンミーツアー同様長尺で、でもその前半部分は指弾きでした。2本の指であんなに速く弾けるんだと感動。ベースソロの終わりや2番のサビの入りといった”ワン、ツー、スリー”などのシーンで掲げている右手を、その数字と対応する形にするのは全国共通なんだろうな。

 

13.3分29秒

ここから終盤戦ですね。福岡ではこの曲から参戦したのでした。

(え、めっちゃもったいないことしてたじゃん……)

何といってもリードと主張せんばかりの過労ベースラインが見どころだと思います。前に詰めかけたファンの頭の合間を縫って、横の少年と2人でイガラシさんの手元を見入っていました。あとドラムも激しいからサビで右手を上げていて楽しい。リズムゲームに近い感覚。

 

14.アンノウン・マザーグース

曲間の合間でシノダさんが必死にチューニングをしている裏でイガラシさんとゆーまおさんがそれぞれ水分補給をしていたものの、いざ始まるとなって若干慌てていたゆーまおさんの姿が妙に印象に残っている。どれだけ慌ててもシノダさんに悟られず間に合わせていたのがカッコよかった。(確かこの曲の前だったはず)。

いつも観てるやつだけどいつ観てもその壮大な感じに気圧される。また”おーおーおー”を合唱したい。イガラシさんの、2番Aメロの後半から蠢くように徐々に重い腰を上げて行き、Bメロに入った途端にどっしりと構えてルート弾きに移る瞬間はいつ観ても”カッコええ……”ってなる。

 

15.ステレオジュブナイル

福岡の時点では「最」でこぶしを挙げる人「終」でこぶしを挙げる人が半々くらいでしたが、大阪は「最」の人が多かったです。遠征の楽しみってこういう曲ごとの反応の違いを楽しめるところにあるんでしょうか。そろそろ体力的にもきつい頃。

 

ここでMC。シノダさん曰く「次が最後の1曲です」とのこと。時代が時代なので観客としては「え~」などと返せないわけだが、「何の反応がないのもまた寂しい」のだそうな。

 

16.イメージ

まさかのトリで「イメージ」でした。大体「青」同様最後の1つ前のポジションで来ると思っていたので意表を突かれました。それでも「イメージ」は最初シノダの1人の弾き語りから徐々に音が増えて行き、激しいギターのフレーズの裏で最後はシノダとイガラシの「行くのさ」が綺麗に重なっていくというストーリー性が本当に美しい曲です。だいたいこの後で「YUBIKIRI」を聴いて全ての情緒をさっぱり流し込んでくれるものとばかり思いこんでいたので、余韻が半端なかったですね。

 

アンコール。冒頭でいつものグッズ紹介がありました。

 徐々に明かされていくイガラシ作、”ゆーまおアクリルスタンド”の謎。自転車じゃない方、モノクロの立像の方に関して、イガラシさんよりBayhallの開演5分前のゆーまおの写真であるという情報が明かされました。そこでようやくゆーまおさんが当時のことを思い出したのか、手を叩いて”あーあの時か!”と言わんばかりのリアクションをとっていました。そういえば福岡の時は何の写真かゆーまおさん含めてピンときてなかったような。だとしてもあの写真のゆーまおさんが何を手に持っているのかという謎は終ぞ明かされませんでした。東京と仙台で明らかになるのでしょうか。

 続いて次のツアーの宣伝も行われました。シノダさんが「どうせまたすぐ会えるだろ」って言ってくれたのがとにかく心強かったです。そうだ、またすぐ会えるのです。

 次回のツアー、関西方面は大阪と京都と兵庫で公演があるのだそうな。中でも9月9日の京都磔磔は「覚悟して来い」らしい。ヒトリエで京都といえば磔磔であり、今日のお客さんの中には京都から来ている人も多いのでしょう。シノダさんのその一言に頷く人も多かったです。とにかく暑いってことなんでしょうか、気になります。

 

17.終着点

福岡同様特殊イントロ。このイントロからこの曲だと判定するのは初見では難しいでしょう。横の少年も絶対驚いことでしょう。

 

18.インパーフェクション

「終着点」のアウトロが終わり、シノダさんがステージ中央前へ。そして無音の会場に響き渡る濃厚爆音のギターソロ。”ぶっ刺され”といういつもの号令で気が付きました。「インパーフェクション」だと。”ワオワオワオワオワオワピー”で右手をクルクル回すのが楽しい。めっちゃ激しいので聴いていてふらふらする。「curved edge」ばりに頭を振りたくなるサビをしている曲ですよね。そうこうしているうちに瞬く間に終了。濁流のようでした。

 

充実のひと時。横の少年は満足そうな顔をしていました。そして会場を出てお母さんや先程の女性と再会し、本文冒頭の写真を撮って帰途に就いたのでした。そこで気がつきました。「センスレス・ワンダー」やってない!

 

横の少年は「ゴーストロール」が聞けなかったのを少し悔しがっていました。僕も聴きたいけどあの曲は多分無理なのよ。ギター複雑だしwowakaさんですら歌詞を覚えられなかったというらしいし。

あとは今回に「センスレス・ワンダー」がセットリストから外れていたのが驚きでした。この曲が演奏されないなんて中々ないのでは? 自分の記憶を手繰っても前例がありません。

 

とにかく色々思い出し始めるとキリがありませんが、本当に良いライブでした。つらつらとブログに文字を垂れ流していたらこんな文字数になってしまっているくらいには。7000文字だなんて、前後編にするべきでしたかね。

 

それでも、今年はこの後すぐにSummer Flight tour があります。まだまだ会えるわけで。幸せ~!

次は7月の広島、それに向けて勉強を頑張らねば。ブログにまとめたい内容や読みたい本はまだまだたくさんあるのだから。

 

 <追伸>

大阪から帰る新幹線に乗っていた翌日午後6時。来る新アルバム「PHARMACY」の収録内容が解禁されました。

 

今回は「シ:ゆ:イ=6:3:1」とのこと。ゆーまお作はもう1つあるということですね。イガラシさんはアルバムのトリの1曲を書いたそう。「ウィンドミル」、「YUBIKIRI」同様明るく流してくれるのか、はたまた「目眩」のように壮大なものか。「ゴーストロール」、「MIRROR」みたいに少し寂しい感じなのもあり得る。楽しみ……。「3分29秒」が収録されたのは正直意外でした。制作時期は「REAMP」の前だし。新曲にMVはつかないのだろうか。一応ライブのタイトルになっている6曲目「Flight Simulator」が鍵なんでしょうか。楽しみ~~。