我が日常の裏・表

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【感想】ヒトリエ TOUR 2019 "Coyote Howling"・広島公演

 もう3年も前の話です。(2022.04.05 公開/2023.04.05 修正)

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 僕がヒトリエのライブを初めて生で観たのは、2019年3月16日(土)、"Coyote Howling"の広島公演でした。塾の予定や大学受験などと重なって何度も涙を呑んでライブ参戦を見送ってきた高校生活を終え、ついに迎えた大学生活。2018年秋に全国ツアーの開催がアナウンスされた時には、広島以外にあと何公演観に行ってやろうかと浮足立ったものでした。当たり前のように最速先行でチケットを取りました。当時はまだお金に余裕がなく、とりあえず広島公演だけ行くことに決めていました。

 

 そして迎えた本番当日、初めての広島セカンドクラッチ。当時軽音楽部に所属していた私は、ライブハウスの作りだとか人の流れだとか雰囲気だとかはなんとなくわかっていたつもりでした。

 しかし、プロのアーティストのライブに参戦するのは初めて。物販の位置やタイミング、クロークのシステムやドリンクチケットの交換など、何もかも分からず、どうにか人の流れに付いていくので精一杯。そうして辿り着いたのは、フロアのちょうどド真ん中辺り。半ば心細くもありながら、開演を待ちました。

 

 以下、覚えている限り曲ごとの感想を書き散らかしています。やはり3年も前だと思い出せないこともあるのが悔しいですね。セットリストはこちらのサイトから拝借しました。

ヒトリエ @ SECOND CRUTCH (広島県) (2019.03.16) | ライブ・セットリスト情報サービス【 LiveFans (ライブファンズ) 】

 やっぱりライブに参戦すると、どうしてもその光景や空気を自分の記憶の中に刻み付けることに精一杯になってしまって、どの曲がどの順番で演奏されたかまで覚える余裕がないもので。

 

01 コヨーテエンゴースト

 SEの音が消えて数瞬の後、空が割れるかの如き爆音。私はその1音目からボロボロ泣きました。「目の前にヒトリエの御仁が実在してる」それだけの事実で涙があふれてきたのでした。感動したら人間ってここまで泣くんだとすら思っていました。

 目の前でwowakaさんがあの滅茶苦茶なカッティングが続くAメロを歌っておられました。右手の動きが早すぎて全く見えませんでした。これが本物のアーティストのライブなのかということを、これでもかと思い知らされた1曲目でした。

 

02 LACK

03 ワンミーツハー

 イガラシさんがとにかくカッコいい曲です。あのイントロを耳にした時の衝撃たるや、6年経っても忘れられません。あの時、私は人々の頭の隙間から、イントロの滅茶苦茶なフレーズがいかにして弾きこなされているか、何とかして目に灼き付けようと目を凝らしていたのだけは覚えています。早過ぎてよく見えませんでした。

 

04 日常と地球の額縁

 ボカロ曲だった頃から好きな曲です。だからLovelessツアーでこの曲がセットリストに入ったと聞いた時は驚愕しましたし、「ポラリス」のカップリング曲としてセルフカバーが決まった時は狂喜乱舞しました。不死鳥みたいな名曲。ここでまた泣いた覚えがあります。

 さて、私が立っていたのはフロアのちょうどド真ん中辺り。ということは、自分の真正面にギター・ボーカルのwowakaさんが立っているわけです。だから演奏中何回か目が合った気がしたのは、今でもよく覚えています。「初めて生でwowakaさんを拝んでボロボロ泣いている僕は、wowakaさんの目にはどう映っているのだろうか」とか考えたり、泣いてばかりの姿を尊敬する人に見られていることに恥ずかしくなったりもしていました。

 

 少しのMCを挟んでライブはまだまだ続きました。この辺は速い曲が続いたみたいですね。よく覚えていないのが心残りです。

 

05 インパーフェクション

06 Idol Junkfeed

07 殺風景

 「殺風景」が強烈に印象に残っています。魂がこもっていました。

 この曲の1つの聴き所は全てを強引に押し流し切ってしまうようなアウトロですが、そこを3回くらい繰り返していました。かき鳴らしてはビタっと止まり、そしてまたグワーッとなっては止まり。3回目はwowakaさんの「ワンツースリーフォー!!!」の合図でグワーの後、ビシッと決まったのでした。意味わかんないくらいカッコよかったのを覚えています。

 似たような体験として、先日の福岡公演のアンコールの「終着点」が挙げられます。いわゆるCD音源にはない終わり方。

 

08 November

 けたたましい「殺風景」の後、水分を補給したwowakaさんが、

「ぼくは11月生まれなんですが、その11月の秋が終わっていく感じをパッケージした曲を作りました」

と。HOWLSの中で一番好きな曲。音源でもすごいんですが、間奏から最後のサビに向かって盛り上がっていく、「浮かべた言葉は/音も無く弾けた/あたしが恋した/色の無い街並み」辺りの迫力が生で聴くと段違いでした。

 

09 伽藍如何前零番地

10 RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY

 ヒトリエの曲って大体初めて聴いた時「うおぉぉやべぇぇぇぇ」とのたうち回らされる程の衝撃を受けるんですが、この曲の右に出るほどの衝撃を与えてくれた曲はまだありません。イントロも変だし、途中はちゃめちゃなドラムソロがあるし、かと思えば綺麗な感じにまとまっていくし。「なんんんだこれ」という感じ。(この曲ほどではないですが「リトルクライベイビー」「Loveless」「November」「curved edge」も初めて聴いた時にはだいぶ衝撃を受けました)

 しかしライブはもっと訳が分かりませんでした。なにせwowakaさんがピアノを弾いていましたから。しかもめっちゃ速弾き。こんな感じだったのを覚えています。ピアノってそんな「絶対的」のMVくらい頭を振りながら弾けるもんでしたっけ、なんてことを思いながら、呆気にとられていました。

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11 SLEEPWALK

 この曲もキーボードが活躍。というのも、1番の後のこの辺をwowakaさんが生で弾いていました。

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 ハンドマイクで散々歩き回ったかと思いきや、間奏ではキーボードのところに戻って来られて。カッコよかったです。4人時代のライブ映像が残っていないのが本当にショック。

 

12 踊るマネキン、唄う阿呆

 必殺チューン。マジで踊った。いい汗かいた。

 生「オンベェイスイガラシィ」も拝めました。右手は残像でした。

 自分のすぐ前に立っていたいかにもライブ慣れした女性が、2番の「ワン、ツー、スリー」の後、前方の更なるもみくちゃに消えていったのが衝撃的過ぎて忘れられません。まぁかくいう自分も後ろからの圧に巻き込まれ、気が付いたら最初より数メートル前に来てるわけですが。

 

13 シャッタードール

14 ウィンドミル

 「ウィンドミル」はシノダさんのギターソロがえげつなかったです。

 

15 アンノウン・マザーグース

 「おーおーおー」を頑張りました。正直音が合ってたかわからないです。そんな些細なことなんて、どうでもいいと思うんですが初めてだと緊張して、ついつい気になってしまいました。

 

16 青

17 ポラリス

 

 アンコール。当時は「もう一回」コールだったはず。

 演奏前の他愛のない会話パートでは”広島県出身の有名人”の話になり、wowakaさんやシノダさんがファンにどういう人がいるか挙げさせていました。Perfume矢沢永吉湊かなえポルノグラフィティの名前が挙がっていたはずです。私も負けじとクロちゃんを挙げようかと思いましたが、風紀を乱すだけなので自重しました。生配信のゆるい会話が目の前で繰り広げられていました。

 最後の方は何かシノダさんとイガラシさんが若干険悪な空気になったり、イガラシさんが「ゆーまおは、たまごサンドが好きだ」と重々しく言い切ったりする場面もありました。文脈はもう思い出せないのが残念です。

 ただ、当時はイガラシさんが本番中に喋ることはほとんど無かったそうなので、聞くところによるとステージの上でイガラシさんが口を開いたのはかなり貴重な出来事だったらしいです。

 

18 トーキーダンス

 マジで踊れる曲がここで演奏されました。「好きも嫌いも認めるよ」で溜め、サビの1拍目と共に右の拳を天に思いきり突き上げる瞬間が爽快な曲です。ラストのサビは「踊っていいよ」のコールがありました。

 

19 センスレス・ワンダー

 ラスト。シノダさんのソロでフロアから歓声が上がりました。ライブ音源で何度も聴いたことはありましたが、「本当にこうなんだ!!!!」と感動したのを覚えています。

 

 最高の時間でした。また別の公演も観に行こうと思いました。行くとしたら4月の岡山か、ファイナルの東京にするつもりでした。

 ちょうどその頃、家族との関係が若干悪く(※僕の所為)、何となく引け目を感じながらのライブ参戦。心から100%楽しめたわけではなく、別日にリベンジしたいという思いがありました。……終ぞ叶うことはありませんでしたが。

 

 "Coyote Howling"ツアー。それは今となっては映像も残っていない、伝説のようなものです。3年の月日を経て、記憶もおぼろげになってしまいましたが、wowakaさんの最期の広島公演の場に立ち会えた身として、ここにその感想を書き記した次第です。

 拙い文章ですが、お読みいただきありがとうございました。